02/25 aiueo 01/01 かがみ 01/01 ゼルプスト殿下 01/01 かがみ 01/01 ゼルプスト殿下 05/10 かがみ
今の会社に入り、四年間だらだらと仕事していたのですが、ここ二週間くらい 急に引き合いが多いのです。これからどうなるかは不明ですが、古典的なアル ゴリズムにちょっとひねりを入れ実装したプログラムの評判が思いのほか良い のです。
最近は C言語以外使わなくなり、取り立てて特技もなく、そろそろ引退かな、 と思わないでもない状況だったのですがねえ(笑)。今のところ、なんとかこの 世界で食べて行くセールスポイントとしては、
あたりでしょうか。もっとも画面とデーターベースには絶対に手を出さないと
いう致命的な欠点ありです。
さすがにこの年になると新しいこと勉強する気力もないし、どうせ勉強するな
らば数学の方が楽しいので、今後プログラムに関して進歩することはありえま
せん。うーん、今の経済状況ですと、最低でも後二十年位働く必要があると思
うのですが、はてさてこれからどうなるのでしょう。余り先のこと考えるの嫌
いなので、まあなんとかなるのではと勝手に思っています。というかつまんな
い先のお金のこと考えるより、今を充実させた方が絶対に良いですから。
コメント_miya [なにはともあれ、僕が定年になるまでは、現役を続けて、ご指導ください。最近はC++...]
_かがみ [わっ、miya さんの定年まで働けと。いくらなんでもそれはご勘弁を(笑)。で、C...]
昨日まで実験した通信関連のログを、お客さんのところへ持っていってじまん するため Mさんに渡そうとしたのですが、ログの総量が 80Mバイト位になった ので、メールでの添付は無理です。そこで 昨年お買い上げしたUSBメモリー を 使おうとしたら、なんといつも入れてある袋の中にありません。そういえば、 この前お客さんのところで使って、その後回収した記憶がありません。
こりゃなくしてしまったようです。
うーん、頻繁とは言わないにしても、わりと便利に使っていたのですが。ただ し、前回お買い上げの機種は 256Mバイトのもので、場合によっては若干容量 不足を感じる場合もあったのです。ある意味丁度良い機会です。周りの人に値 段の相場を尋ねたところ、512Mで三千円か四千円、1Gだと六千円以上というこ とで、本当は CD 丸ごと一枚はいる 1G のが欲しかったのですが、予算からし て 512Mが無難かな〜、と思いつつ近くのお店へ行ったのです。
色々な機種の値札を見たのですが、思ったより安く ELECOM の 1G製品が五千 円で売ってました。ただし、特に根拠はないのですが、個人的に ELECOM は余 り好きでないので、こちらは却下です。ELECOMでさえ五千円ということは、他 のメーカーのはもっと高いはずで、やはり1Gの購入をあきらめかけたその瞬間
BUFFALO 1Gのが 3,480円で山積みになっているではないか(笑)。
というか一年半前に買ったのと容量以外はおんなじ機種。ピンク色です。上と 下にリンクした一年半前の自分の記事を見ると、当時 256Mで同じ値段だった 訳で、四分の一ですか。いやはやずいぶんお安くなったものです。というわけ で、世情に疎く、この手の商品の相場を知らなかったのですが、まあ古いのが 出てきたら、二女にでも上げることとして、今日のお買い上げはちょっと得し た気分なのでした。
余談ですが、奥さまの説によると、ピンク色でデザインが宜しくないからら安 いということなのですが、私はこのデザイン案外好きなのです。そんなに変で すかねえ(笑)。
(関連項目) USB メモリーお買い上げ
コメント_miya [おお! なんという偶然。ぼくも同じものをソフマップで購入しましたよ。いままで32...]
_かがみ [おお! なんという偶然(笑)。あれですね。なんか BUFFALO で新型モデルを...]
恒例となりましたが、今日は Nさん、Sさん、Hさんと鴨南蛮を食べに行ったの です。ところが、例のごとく写真を撮ろうとカメラを持参したのですが、なん と食べに行く時忘れてしまったというまぬけぶりです。なので本日は写真あり ません。どうでもよさそうですが(笑)。
あっ、すみません。なんかねた不足で。
コメント_Nさん [寒くなったのであったかい鴨南蛮にしました。麺と鴨をおいしく食べ切って、最後に木杓...]
_かがみ [Nさん、こんにちは。寒くなってきたので一段とおいしいですね>かも。で、薬味ですが...]
こっこれは(笑)。なんか一番上に意味不明なのがありますが、 Wikipedia や有名ないろものサイト群を追い抜き、ついに実質一番くじです。 てゆうか、やはり MSN はいろもの集合論サイトを上位にランクしているので は。ということは、おうちが日本一のいろものなのでしょうか(笑)。
(関連項目) 2006年10月7日 お笑い集合論検索
コメント_はやし [おお! すばらしい! おめでとうございます!で、ほんと、これはお世辞抜きに言うの...]
_かがみ [こんにちは。MSN で一番上にあったからどうということはないのですが、もちろん悪...]
おうちでは、レンタルサーバー兼ドメイン等の管理を アイネットディ にお願いしているのですが、昨日まで書いていたソフトウエアーで、流量はた いしたことないのですが、インターネットを通したそれなり信頼性のある UDP 転送実験のテストをする必要が生じたのです。で、会社でこういう実験を行う 場合、相手先として自宅サーバーを利用する場合が多いのですが、現在自宅に いるので、この方法は使えません。うーん、何かが違うような気もするのです が(笑)。
というわけで、レンタルサーバーと自宅の間で UDP 転送の実験を行うことに したのですが、レンタルサーバー側の UDP ソケットを適当なポート番号でバ インド出来るのか、出来たとしてポートブロックとかで通らないのではないか、 といくつか心配事はあったのですが、すべて杞憂だったようで、全く問題なく 通信が可能でした。さすがアイネットディです。アイネットディは、倫理的に 問題がある行為や、システム全体に迷惑をかける行為でなければなんでもあり、 というところがとても使いやすいと思います。
実験の結果はここには記載出来ないのですが、ゆっくりとはいえ UDP をイン ターネット経由で転送すると、そのままでは平均して 99% 程度しか到達しな いようで、今回開発したソフトウエアーはそれなり、というか完璧な効果があ るようです。一度自宅の方をわざとリンクダウンさせたりという実験も行いま したが、もちろん問題なく動作しました.
余談ですが、開発は PowerBook 上で行い、簡単なテストもループバックイン ターフェースで行ったのです。その後自宅 FreeBSD サーバーとレンタルサー バー(こちらも FreeBSD)にソースファイルを持ってき make したところ、当然 と言えば当然なのですが、一発で通りました。なかなか良い気分です。ソース のバックアップにもなるし。
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今日も一日自宅で仕事してました。というか出来た(^^。あっ、でも簡単な仕 様書を書かなくては。めんどいですなあ(笑)。
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今日は勤労感謝の日ですが、明日もお休みを入れて四連休です。あっ、先週全 部休んだのに、今週も四連休とはずるい! と思われる方も多いかと思います が、いやはや実を言いますと、
連休中に仕事のプログラムを一本仕上げる必要がある(笑)
という面倒な状況に陥っているのです。プログラム自体はネットワークのちょっ とした応用で、さらにおとといのアルゴリズム(もちろん有限版)も使用するの ですが、機材の必要がないことと、Linux 上のソフトウエアーなので、BSD か ら派生した MacOS 上でも問題なく開発出来るのです。というわけでわざわざ 会社へ行くより、おうちで仕事した方が能率が上がるのですが、今週末は数学 の方は余り進展させることが出来そうにありません。少々残念です。
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今会社のお昼休みなので大急ぎで。
(定理)
可測基数は 記述不可能。
(証明) を可測基数とし、 を -論理式とします。 は の形として が成立していると仮定します。 ただし は3階の変数で の 以外の変数はすべて2階以下とします。 における2階の変数の動く範囲を 、1階の変数の動く範囲を に制限した論理式を とし、仮定の式を1階の論理式で記述すると
今 を の正規 完備超フィルターによる超べきの推移的崩壊とします。 であることと の で考えた部分集合は(本当の部分集合より)「増える」ことはないので、
が成立します。ところが で はそれぞれ列 で表現されます。従って「ほとんどすべて」の に対して
が成り立ち、再び3階の論理式の解釈へもどすことにより、記述不可能性の 証明が完了です。
弱コンパクト基数の場合と異なり、この逆は成立しません。それどころか可測 基数の下に大量の「全面的に記述不可能な基数」が存在することを証明出来ま す。で、こちらの証明も書こうかと思っていたのですが、というか、常套のテ クニックで 「 は全面的に記述不可能」を示せば良いのですが、やりかた忘れました(笑)。と いうわけで、こちらの証明は後で。
(追記) 帰りの電車で考えたら出来たと思うのでリベンジ。
まず「全面的に記述不可能」な基数の定義ですが、任意の(個別の)自然数 に対し 記述不可能であることとします。 今、 を任意の高階論理式とし、
を仮定します。上の証明と同様に で がそれぞれ で表現出来ることに注意すると、元々の正規超フィルターの要素 が存在し、任意の に対し
初等性により に対して
従って に対し ( なので)
に対し であることに注意すれば結論が得られます。
(さらに追記)
上の「証明」書いてから巨大基数の集合論を見たら次の証明。
とすると なので
以下初等性を利用。確かにこの方が簡潔。というか自分で考えた「証明」合っ てるのか?
(参考文献) Thomas J. Jech 著 Set Theory A.カナモリ著 渕野昌訳 巨大基数の集合論
(関連リンク)
2006年11月17日 記述不可能性(一回目)
2006年11月18日 記述不可能性(二回目)
コメント_くるる [多分かがみさんの証明も正しいと思います。ただ、j(V_\\alpha)=V_\\al...]
_かがみ [いつも分かりやすく教えて頂きありがとうございます。この方面の証明は落とし穴が多く...]
優先度付き二分木はいわゆるヒープを素直に二進木構造として表現したもので、 次の特性があります。
さらに次の操作を高速に行うことが可能です。
要はある種の木で、任意の鎖の順序が、与えられた全順序と両立するものを考 えるわけです。詳細に関しては、例えば
Data Structures and Algorithms. Alfred V. Aho, John E. Hopcroft, Jeffrey D. Ullmanを参照して下さい(古いですな)。このデーター構造は、簡単でエレガント、さ らに実用的と三拍子そろい踏みで、個人的に非常に好きなのであり、色々なヴァ リエーションを仕事でも使っているのです。というか今使ってる。
もちろん「鎖の長さ」が全体のデーター量に比して長いと余り得しないわけで、 自然数全体の場合ケーニヒの補題により、各レヴェルが有限であれば必ず無限 鎖が存在するので、全然得しません。実数の場合、良くわからないのですが、 適当に整列するかして、可算の高さで上の形の表現が出来た場合、実数の濃度 が大きければ大きい程お得度が強い感じがします。連続体が弱到達不可能だっ たりすると超得価格即決買い上げです。でもって何が言いたかったかと言いま すと、当たり前のことですが、
弱コンパクト基数は二分検索という観点からは全くお得感がないのでは(笑)。ということです。まあ実際に真面目な定式化しようとすると、極限のところで 訳が分からなくなったり、各レヴェルの整列性ではまったり、そもそも無理な 感じもするのですが、今日のお題は(ト)ですのでご勘弁のほどを。さらに弱コ ンパクト基数のメモリーを搭載したマシンを開発する場合、アドレスバスの本 数もその基数分必要になりそうで、開発コストもばかになりません。
実数の場合と矛盾しますが(というか上の実数の場合は自信なし)、大きなメモ リーを搭載したコンピューターを設計する場合、メモリーの量は特異基数にし た方が検索に関し得な感じがします。共終数探索とか(笑)。
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だらだら過ごした九連休も終わり、今日から会社です。ところで、カレンダー を見たら、今週の木曜日は祭日なのですねえ。ということは、残っている代休 を金曜日に取得すれば、またまた四連休ですか。うーん、どうしよう。
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本日は高階論理の直感的な説明と、記述不可能性の一般的な定義、さらに記述 不可能性による弱コンパクト基数の特徴づけについて記載します。
(高階論理の解釈について) 集合論の言語に「高階の変数」を付加した言語を考えます。階数は自然数で、 1階の変数は通常の変数であるとします。さらに一般の階数の変数に対しても を基本関係式として許すことにします。さらに高階の変数に対する束縛も定義 されているものとします。ここんところは真面目に勉強したわけでないのでま あ常識的にということで。ただし高階の変数の解釈は重要で、構造 を考える場合、1階の変数は 上を動き、2階の変数は 上を動くものとします。一般に 階の変数は 上を動くと解釈する訳です。例えば論理式 で の階数が2の場合 は を意味することになります。
(論理式の階層)
まず1階の論理式
を考えます。
が束縛記号を含まないか、もしくはすべての束縛が限定されている場合、即ち
の形の束縛しか現れない場合
を
論理式と呼びます。帰納的に
は
論理式を
で束縛したもの、
は
論理式を
で束縛したものと定義します。そして
高階の場合次のように定義します。
が
の形で
が
以外の変数として1階のものしか含まない場合
と言います。存在記号を全称記号で置き換えることにより、
論理式の概念が得られます。一般に
を
階の変数とし
の形の論理式で
以外の変数の階数が
未満の時
論理式であると称し、
に関しても同様に定義します。さらに
を
階の変数とし
が
の要素のとき
は
に属すると称します。
に関しても同様です。例えば
を2階の変数とするとき
は
は
は
となります。ただし
は階層における階数(上付きの数字の方)が下位の論理式であるとします。
この辺りは厳密でないのといいかげんなので、正式には論理学の文献を参照し
て下さい。
(記述不可能性の定義) を基数とするとき が 記述不可能であるとは次の性質が成り立つこと。
任意の と -論理式 に対し が成立しているとき が存在し
(定理 Hanf-Scott)
基数 弱コンパクトである条件は -記述不可能であること。
(補題 弱コンパクト基数の拡張の性質)
を弱コンパクト基数とします。このとき任意の に対し、推移的な集合 と で次の条件を満たすものが存在する。(補題の証明) 構造 を言語 に属する構造と考え、その構造で充足可能な文全体の集合を とします。 に対応する関係式を便宜上 で表すこととし、 に属する言語 を考えます。ここで各 と は定数記号とします。この言語に公理として(1)
(2)
「 個別の に対し 」 「 は順序数」 「個別の に対し ( 個の公理) 」を与えます。 の到達不可能性により であることに注意すると、 が成立します。また任意の に対し はモデル を持ちます。 の解釈は自然にもとの の要素とし、 の解釈は で言及されているいずれの集合の より大きい 未満の順序数とすれば良いわけです。従って が弱コンパクトであることにより は のモデル を持ちます。ところが の作り方から、 と仮定して問題ありません。さらに の解釈をもともとの とすることも問題ありません。また で の文はすべて成り立つので が成立します。ところで の表現力により は を要素とし、構造 はこの論理式を満たします (もちろん を に置き換えて)。従って に対する推移的崩壊の前提条件が満たされ、もとの構造の推移的な拡張 が得られますが の解釈は明らかに の要素とならないので、推移性により
(弱コンパクト基数に関する Hanf-Scott の定理の証明) まず が -記述不可能であると仮定します。 昨日の到達不可能基数に関する議論 (記述不可能性(一回目)) により は到達不可能です。 従って が木の性質をもつことを証明します( 弱コンパクト基数の基本性質(一回目) 参照)。 さらに弱コンパクト基数と無限論理のコンパクト性の関連についての議論(弱コンパクト基数(二回目)無限論理との関 連参照...証明半分しか書いてないですが)の証明の分析により次のような -木 に限定して考えれば十分です。
は を定義域とする関数 からなる。次の 論理式を考え で表すこととします。
は非有界な鎖)このとき任意の に対し が成立します。実際 として である(特定の)関数の への制限全体をとれば良いのです。 ところが は -記述不可能だったので が成り立ちます。
逆方向を証明するために を の形の論理式とします。ただし の 以外の変数はすべて一階のものとします。 は一階の論理で次のように記述出来ます。
上の補題により推移的な拡張 で を満たすものを考えます。 の到達不可能性により は集合論のモデルなので も同様となります。従って より が成立し 従って であることと の部分集合が で増えることはない(必要ですよね...)事実に注意すると
なので なる具体例を考えると
従って初等性により
従って が存在して
に対して なので、最後の部分で の部分集合が「増える」心配はないです。 なるほど! が可測基数の場合の超べきに対応する役割を果たしているわけですか。さらに 可測基数に対応する超べきを考えると なので記述不可能性の階数が一つ上がる仕組みであると思われます。
(2006年11月28日追記) 一階の論理式に落とした部分で、変数に対応する構造 を追加しました。
(参考文献) Thomas J. Jech 著 Set Theory A.カナモリ著 渕野昌訳 巨大基数の集合論
(関連リンク)
2006年11月17日 記述不可能性(一回目)
2006年11月18日 記述不可能性(二回目)
コメント_くるる [私は弱コンパクト基数の定義を$?Pi^1_1$-記述不可能基数だと思ってやってい...]
_かがみ [いつも色々教えて頂きありがとうございます。ご指摘のように、高階の論理式の解釈に関...]
今日からかなりよろめきそうですが、記述不可能性に関して記載します。 まず初等的部分構造の判定基準について復習します。
(初等的部分構造の判定基準) 構造 を構造 の部分構造とするとき が の初等的部分構造( と記述する) となる条件は次の通り。
論理式 と に対し が成立している時 が存在し最初から高階の論理に言及すると、少なくとも書いている本人は訳が分からな くなるので、今回はウオーミングアップということで、一階の論理式に対する 記述不可能性に関して記載します。 今、基数 に対し、 とし、 構造 での充足関係 考えます。これだと何のことか分かりにくいのですが、例えば で は共終(cofinal)な関数とします。 とすると は、例えば が 「 は非有界な関数である」ことから導かれる事実を 上で表現していれば成立するわけです。「非有界」と言い直すのは、 へ直接言及することを避けるためです。余分な関係を増やすことも可能です。 同様に 等も考えることができます。例えば を上の通りとして、 の場合、 が「 は非有界な関数であり のただ一つの要素は の定義域である」ことから導出される事実を 上で表現していれば成立します。
上の例から次の事実が分かります。
を特異基数とする。 が存在して、任意の に対し(証明) 命題の表現では一つの関係式しか現れませんが、対の公理等を使用すれば任意有 限個の関係式が現れても同様です。従って、上の例と同様に を取り、充足関係 を考えます。ただし は「 は関数であり、その定義域は のただ一つの要素である」を表現しているとします(非有界はあっても良いが 必要ない)。このとき、もし が存在して が成立したと仮定すると 初等性により 「 は関数であり、その定義域は のただ一つの要素である」 が成立します。従って の定義域は となりますが、 は で非有界だったので、 の値域の要素が から「はみ出す」こととなり矛盾です。
この事実を「特異基数はある
実際にはさらに強い事実が成立します。
任意の
に対し
は
で閉非有界。
(証明)
を到達不可能基数とします。
が閉じていることはほとんど明らかなので、
非有界であることを示します。
とします。このとき順序数
の列
を次のように定義します。まず
とし
まで定義されたとします。
このとき
に対して
が成立したとします。
と
に依存した
が存在し
を満たしますが
が到達不可能であることにより、このような
の上限を
とすると
従って
とすると、
で「初等的部分構造の判定基準」により
この事実を「到達不可能基数は任意の
に対し
-記述不可能である」と称します。
(参考文献) A.カナモリ著 渕野昌訳
巨大基数の集合論
Thomas J. Jech 著
Set Theory
(関連リンク)
2004年7月29日 閉非有界集合(closed unbounded set)
(付記 2006年11月18日) 特異基数の記述性に関する定式化とそれに伴う証明が誤っていたので修正しました。
基数
が到達不可能である条件は次の通り。
閉非有界集合の定義は
「
2004年7月29日 閉非有界集合(closed unbounded set)
」を参照して下さい。
逆に
が到達不可能基数でない場合、正則でない場合は上で証明済みなので、
強極限でないとします。すると
と上への関数
が存在しますが、構造
を考えることにより、上の特異基数の場合の証明と同様に「下への反映」の不
可能性が分かります。
コメント
下の左肩の近傍が痛む記事ですが、近眼+老眼のため、Jech の Set Theory を読む 時、無意識に眼鏡をはずし、左手で本を持ち(重いのです)顔に近づけて読むか ららしい。なので五十肩ではなさそう。断言はできませんが。
コメント
二週間程前から肩甲骨から左肩、左腕にかけて痛むのです。腕を上げると痛む というより、水平にして内側に力がかかると痛いのです。もしかしてこれが五十肩? やですなあ(笑)。
コメント
記述不可能性について勉強中。いまいちしっくりこない。今まで勉強した部分 は、代数的な発想でなんとかなったと思うが、この辺りから、論理や構造、モ デルに関する繊細さが必要になる感じで、やや苦戦中なのです。例えば とか言われても、ああそうなんですか、という感じ。可測基数に関しては、例えば -論理式 の適切な実例で考えないとだめかも。そういう意味では弱コンパクト基数の 記述不可能性の方が、一度構造を拡張して、元の構造に反映させ、その反映を 芋づる式に下の方に反映する、という感じで分かりやすい面もあるかも知れません。
コメント
本日の目標は、超べきの初歩に関するとりあえずのまとめを行い、 弱コンパクト基数がいっぱい に関する証明を完成させることです。 を可測基数とし、 をその上の非単項 完備超フィルターとし、 を対応する超べきの推移的崩壊への初等的埋め込みとします。 このとき
に対し、が成立します。実際
です。最後の同値は に対し であることを使用しました。さらに同じ理由により が成立するので、最初の注意と合わせ、 も成立することが分かります。 可測基数は弱コンパクトであることは すでに記載したので( 2006年10月2日 弱コンパクト基数の基本性質(一回目))、 2006年8月24日 可測基数と弱コンパクト基数(再挑戦) の仮定は成り立つことが分かりました。従って
は弱コンパクトが成立します。ところが と定義すると、 は 上の正規超フィルター (従って 完備)となります。証明は くるるさんの記事「初等埋め込みと可測基数」 を参照して下さい。従って による超べきを考えることにより が成立し、 「弱コンパクト基数がいっぱい」 即ち、可測基数の下に大量(正規超フィルターのある要素分)の弱コンパクト基 数が存在することが分かります。
少々時間を費やし過ぎましたが、超べきの定義から勉強を始め、この段階まで のストーリーは、自分として見通しが良く、とても楽しめました。まだまだ超 べきの基本的な事実に関し、記載したい内容はたくさんあるのですが、大分長 くなってきたので、そろそろ記述不可能性についての話題に移行する予定です。 その段階で超べきに関するさらなる話題も書くことがあると思います。
(参考文献) A.カナモリ著 渕野昌訳 巨大基数の集合論
(関連リンク) くるるさんの記事 「初等埋め込みと可測基数」
(関連項目)
2006年9月10日 超積、超べきとLośの定理
2006年8月24日 可測基数と弱コンパクト基数(再挑戦)
2006年10月2日 弱コンパクト基数の基本性質(一回目)
2006年11月12日 正規フィルターとフォドァの補題
2006年7月9日 弱コンパクト基数がいっぱい
コメント
学生時代とても頭が良く切れ者の知り合いがいまして、その人は文学部だった のですが、数学も良く出来、難しい大学入試問題もすらすらと解いてたのです。 ところが一度数学談義になり、彼が言うには と の違いが分からないというのです。で、そのときはどうしてこんなに頭の良い 人が、これほどあたりまえの事実の把握に失敗してるのか理解出来ず、通り一 遍に片方の要素の個数は 0 で、もう片方の要素の数は 1個なので違うじゃな い、等色々説明を試みたのですが、結局分かってもらえなかったのでした。別 にそれで特に困るわけではないので、一時間くらいであきらめましたが。
ところが、最近ネットで似たような事例を聞いたので、どこでつっかかってる のか、ちょっと考えてみたところ、おそらく次のようなイメージなのではと思 いついたのです。
たしかに「存在しない」という概念の外延化に失敗すると、上記のような「推 論」が行われても不思議ではありません。そんなことを奥さまに話したら、実 際、昔から上記のような議論は行われており、結局「存在しない」ことを「存 在しない」と考える方向は、自己満足もしくは不毛な内容に陥った、という経 緯があるそうです。もしかして 0 という数の対象化が、数学の歴史の中で存 外遅かったのも同様な理由なのかも知れません。
なんにもない なんにもないのが入っている ↓ なんにもないのだから書かなくても同じ { } ほら!空集合
考えようによっては、上のような疑問を持つ人は、なんというか、非常に物事 を繊細に考える指向があるのかも知れませんが、やはり方向として不毛である ことは否めないと思います。 もっとも、私自身は存在公理はもちろん、無限公理や選択公理、べき集合公理 等に疑問を感じたことは一度もないので、感性がにぶすぎるのかもれません。
余談ですが、初等教育で自然数から 0 を除外しているのは犯罪に近いと思う のですが、どうして何十年も放置されているのだろう。不思議です。さらに、 等号付きの不等号で下の横棒が二本なのも何とかならんのかなとは思っていま す。かっこわる過ぎです。
コメント_Fu [ZFCのことを初めて知ったとき、empty set をスタートとして、そこから自...]
_かがみ [Fuさんこんにちは。私は学生時代ブルバキの集合論から数学の勉強を始めたのですが、...]
_ぴらぴら [少し考えたのですが、そのご友人にとって、・数学的対象は、集合と集合以外の対象に排...]
_かがみ [ぴらぴらさん、こんにちは。明けましておめでとうございます。さすがにねたにされた人...]
_ぴらぴら [かがみさん、そういえばご挨拶もしてませんでした。よろしくお願いします。基礎の公理...]
_ぴらぴら [「基礎の公理が無ければ、アトムを言語に追加しても大丈夫」←ぜーんぜん駄目ですね。...]
非可算正則基数 上の非単項フィルター が次の条件を満たす時正規であると呼びます。
を の要素の列とする時は の対角共通部分と呼ばれます (2004年7月 閉非有界集合参照) 。 に対し を の要素の族とするとき、 に対し と水増しすることにより、 が成り立つので、正規フィルターは -complete. さらに閉非有界集合の場合と同様に -定常集合の定義を行います。
が -定常とは、任意の に対し が成り立つこと。特に が超フィルターの場合、定常性は の要素であることと一致します。 閉非有界集合に対するフォドアの補題 と同様な事実が成立します。
次の条件は同値。(証明) を正規フィルターと仮定します。 を -定常集合とし、 を退行的関数とします。今、任意の に対し が定常でないと仮定すると はすべて の要素となり、従って ところが とすると、定義により となるので は退行的なので 従って となり矛盾。
- は正規フィルター
- 任意の -定常集合 と退行的関数 に対し が存在し も -定常集合となる。
逆に が正規でないと仮定すると、 の要素の 列 が存在し 従って は -定常。 は を満たすので、 「 となる最小の 」と定義すると退行的であるが とすると なので 従って となる。
(参考文献) A.カナモリ著 渕野昌訳 巨大基数の集合論
(関連項目) 2004年7月29日 閉非有界集合 2004年8月1日 定常集合(stationary set)
コメント
とつぜんモカちゃんが、「一億以下の素数はいくつあるでしょうか?」と聞い てきたのです。もちろんそんなの分かりませんが、 をおおざっぱに計算して「五百万くらいかな」と答えたところ、5761455 個が 正解なそうな。さらに「1 から n まで加えるといくつでしょうか?」と問題 は続きます。実はこの段階ではまだ気がつかなかったのですが、次の問題が 「220 と 284 を互いに何数と呼ぶのでしょうか」という問題(答えは友愛数)。 さすがにこの段階で気がついて、「もしかして 『博士の愛 した数式』 読んでるの」と尋ねたところ、まさにその通りでした。
良く出来たストーリーの本とはいえ、数学的な内容に関してはどうかな、と考
えていましたが、モカちゃんにはなかなかのインパクトがあったらしく、現在
数学モードに入っているようです。
ところでこの小説のクライマックスで、
なる式が登場します。当然中学生には意味が分かりません。
に関しては
という数で、円周率と同様に巡回しない無限小数となることを説明したところ、
「どうして無限の先のことが分かるの?」ということなので、「無限のことが
有限の考えで分かるのが数学の美しく素晴らしいところ」と説明したのです。
問題は虚数単位ですが、二乗すると になる新しい数を考えることを説明したところ、「そんな数どこにあるの?」 というしごく当然の疑問が発せられたのです。そこで、数を直線と対応させて 考えることを拡張し、平面と対応づけて考えることにより、より豊かな世界を 考えることを説明しました。モカちゃんにはまだ理解出来ないのはもちろんで すが、意識の奥底に残れば大成功です。
余談ですが、その後私が大の苦手である中学校の図形の問題を出され、途中で 面倒になり撃沈したのは絶対に内緒なのです(笑)。
コメント_くるる [「無限のことが有限の考えで分かるのが数学の美しく素晴らしいところ」、とても簡潔で...]
_かがみ [お褒めの言葉を頂きありがとうございます。記事本体の言葉は、余り深く考えず発したも...]
_鏡(管理人娘!) [本当は、一億までの素数は200万個くらいと言ってました。ネット上で格好つけたがっ...]
_鏡(親) [わわわっ、その書き込みはもしかしてモカちゃん(笑)。いや、そのですねえ、二百万と...]
同じ大学同じ学部卒業の M さん情報によると、私が卒業した学部の敷地近傍 に熊が出たそうな。さすがど田舎村のお山理学部です。つうか近くに怖い橋が あるのですが、ふと気がついたら、そこんとこ熊が歩いてたらさすがにやでしょ うなあ(笑)。
コメント_Joe [それどころか、米ヶ袋にも出たそうです。本部の片平の裏ですよ!]
_かがみ [わわわっ、片平にも!! 青葉山から八木山にかけて、広範囲に分布しているのでしょう...]
とりあえずの仕事が一段落。明日から九連休です。
コメント
昨日へましたせいで、今日もつくばです。いないと困るのですが、出番が少な い、という極めて退屈な状況です。こういう場合、激おそとはいえ、WX310Kは なかなか便利なのです。今月は 50万パケット超になりそうです。定額プラン なので全く問題ないですが。
それはそうといつも奥さまのおいしい料理を食べていると、たまにジャンク系 も食べたくなるのですが、この二月くらい、会社に泊まったりすることが多く、 ジャンク漬けになっています。さすがに飽きました。おいしいの食べたい!!
コメント
今日はつくばに出張です。結局一晩泊まり。
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いやはや一日 50件を超えました。来るもんなのですねえ。数日前までスパム 判定されたコメントも PHS に転送していたのですが、余りに量が多いのと、 判定方法があいまいでなく(変換後にEUCコードが含まれていなければスパム)、 排除されたのにスパムでなかったという配もないので、そちらは中止しました。 いずれにしても、フィルター開始直後から増加の一途です。ある意味タイミン グが良かったのかも知れません。増え続ける原因は、日々リンク数が増えるか らなのかも知れません。
今までのところすべて英語スパムで、捕捉率 100パーセントなのですが、現行 の方式で日本語のスパムが入るようになったらアウトです。そろそろ bsfilter みたいなのに新しいデーターベースを作成して、ぼちぼち学習させ た方が良いのかも知れません。メールのデーターベースを利用すると、うまく 行かない可能性が強いのですが、別途データーを独立に作成すれば、なんとか なるような気がします。最大の問題は日本語のスパム例題が存在しないことで すが、来ちゃうのもやだしほんとに困ったものです。
ところで、コメント欄に abc とか入れられれば分かりますが、POST 後の画面 ではそのコメントも一見受理されたように見えるのです。ところが、実際には 管理ログファイル以外への書き込みが行われないため、本体には反映されない、 という極めて陰険な仕様となっています。単なる手抜きなのですが(笑)。
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仕事ばかりしていたせいか、無性に数学の勉強をしたくなってきました。そろ
そろ復活です。正規超フィルターによる超べきの結果をまとめて、記述不可能
性関連に進む予定です。実はあと一週間通勤して、11日から19日まで「夏休み(笑)」
取得なのです。もちろん予定は数学三昧の生活です。
ただし、例えば可測基数が
記述不可能である証明は追えるのですが、そもそも何が記述不可能なのか
全く分からないのは困ったものです。
の余分に出てくる
のご利益というか意味もも良くわからないし。色々な定理を勉強してこの辺りの直感を養うのが目標です。
「夏休み」明けに昨日書いた大量の殘件処理が待っているのですが、もちろん今はそんな先のこと考えないのです(笑)。
(追記) 余分な関係は二階以上の論理式の表現力をつけるためなそうな。 さらに により は 記述可能という例によると、 は 以下の世界では 論理式(上の例で有限集合は排除される)で「記述される」という意味なのだろ うか?
(関連項目) 2006年10月15日 ひとやすみ
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とりあえず 24時間連続稼働終了。残件多数あり。その辺りは
営業さんへ適当にごまかすよう適切に説明するようお願いしました。
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明日出荷の物件の追い込みです。これから24時間連続稼働。
コメント_はやし [24時間連続稼動だなんて、そんな!って、ぼくも明日までにペーパーを3つ仕上げなけ...]
_かがみ [はやしさんもお忙しそうですねえ。で、やはり、慣れない土地ですと、こちらで忙しいの...]
本日届いていました。仕事が一段落したら読む予定です。
(関連項目)
2006年8月7日 ゲーデルと20世紀の論理学第一巻
2006年10月30日 ゲーデルと20世紀の論理学(2)
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私自身数学の専門家ではないので、あまり参考にはならないと思いますが、強 制法を勉強したときの感想とか。
半順序集合 を固定します。 は集合全体のユニヴァースと考えても、可算モデルと考えても良いです。 強制と Generic 拡大の関係は次の通りです。 ただし はそれぞれ の名称とします。ここで重要なことは は の中で記述可能なことであり、これをもって「強制は での Generic拡大の近似である」と言うことができると思うのです。 さらに面白いことに で定義されるGeneric標準名称は、強制関係において Generic の性質を満たすこ とが簡単に証明出来るのです。
実際には Generic標準名称のみで議論を行おうとすると、非常に煩わしい場合 が多く、さらに、本来集合論は(許される限り)新たな外延を自由に作ることに その本質があるにも関わらず、議論が内包的になり、その結果現実的な拡張性 に乏しいという欠点があります。外延を考えないですべてを論理式で考えるよ うなものです。
それにもかかわらず、強制関係を避けて通ることは不可能なのであり、その辺 りに慣れるためには、かなり面倒なことは確かなのですが、それなりの定理を 一度自力で、すべて強制法の言葉に置き換え再構成する経験を積む必要がある と思います。少々古いのかも知れませんが、Kunen 本が強制法の最初の直感を 養うのに一番良いと思います。この辺りのごたごたを一度経験するのはとても 大切なことなので。Kunen本の劣化したコピーに近いのですが、私が勉強のま とめに書いた「強制法入門」はすべて内包的な議論で押し通しています。展望 や拡張性に乏しい等、余り良い記述ではないのかも知れませんが、可算モデル への依存がないことと合わせ、論理的にはそれなり筋が通っていると思います。
私自身強制法は初歩の初歩しか知らないので、はずしている部分も多いかも知 れませんが、強制の直感と Generic拡大の直感ともに非常に重要であるという ことで。もちろん大学に所属している場合、先生に良い勉強法を教えてもらう のが一番です。
(追記) くるるさんから コメント(強制法の二つの見方) を頂きました。ありがとうございます。
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モカちゃんが 第37回藤沢市総合かがく展 夏休み自由研究の部で優秀賞をもらいました。三年連続です。えへへ(^^。 モカちゃんの今年のお題は「クッキーの焼け色の研究」です。表彰式は今週の 土曜日なのですが、仕事の関係で行けそうにないのがやや残念なのです。
(関連項目)
2005年10月27日 モカちゃん優秀賞をもらう 2004年10月27日 モカちゃん一等賞をとる
コメント_miya [おおっ! おめでとうございます。それにしても、3年連続の受賞はすごいですね!お嬢...]
_かがみ [miyaさん、こんにちは。理科自由研究は、内容が充実している作品がたくさん展示さ...]
2006年10月
2006年12月
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